通訳案内士になろう!            目標は、TOEIC840点!


第三回 (続)TOEICにまつわる疑問に答える

今日は、大イカ対MBAです。

今回は、「TOEICに関してよく耳にする疑問や批判」に答える話の続き。


TOEICにまつわる批判としてよく聞くのが「TOEICの点数が高くても英語力が無い人が多い、或いはTOEICの点数は実際の英語力とあんまり関係ないよ」というのがあります。


私が尊敬する村上春樹さんも「TOEICと実際の英語力とはあまり関係ないみたいですよ」って書いてますしね。


私は、個人的にはTOEICの点数と英語力の間には、正の相関関係はあると考えています。

それでは、何故多くの人が、前述のようにTOEICの点数に関して疑問を抱くのでしょうか。
それは、とても簡単な理由からです。つまり、通常の社会においてTOEICという狭い領域の英語力そのものが直接役立つことはほとんど無く、英語力が役立つシチュエーションとは、その他のスキルも同じように必要だからではないでしょうか。


以前、日本最大の翻訳会社である大学翻訳センター(DHC)の方に興味深い事を伺いました。

その方には、私が当時勤めていた会社に納品される翻訳物(IT関係の研修用資料)の質が非常に低いことを相談したのですが。


彼によると。
1.英語を理解する力
2.日本語を発信する力
3.特定の領域に関する力(知識、理解)


この三つは全くの「相互独立」で全く関係性がない、すなわち英語を理解できるからといって、日本語を書くことが得意なわけではありません。ましてや、ある特定の領域における専門性とは全く無関係だ、ということですね。


そして、残念なことにこの3つを高いレベルで実現している人は、翻訳会社のスタッフといえどもそれほど多くはいないそうです。ただ、逆な言い方をすれば、日本語を書く力と特定の領域のスキルが有れば、TOEICの点数はさほど高くなくても翻訳の仕事ができるという言い方もできるのです。


その知り合いによると、翻訳の世界において大事なことは、センスの良い日本語を書く力だそうです。当然、翻訳の対象となる領域の知識も必要となります。TOEICの点数はその次というのが優先順位なのだそうです。


そういえば、最近募集があった、江戸東京博物館の外国語ガイドの募集要項を見ても、英語の会話力としては、英検準1級程度が目安とありますから、英語力については、さほど高くなくでも使えるという判断があるのでしょう。より大事なことは、日本語を伝える力(平たく言うとコミュニケーションスキル)と特定の領域における知識であったり、仕事に対するやる気であったり、という基本的なことかもしれません。


さて、以上が、「TOEICの点数が高くても英語力が無い人が多い、或いはTOEICの点数て実際の英語力とあんまり関係ないよ」という批判に対する私の見解です。


英語力と一言で言っても、リアルワールドで要求される英語力とは、他のスキルと組み合わせて使用されるものであり、TOEICの点数が高いことが、それ以外のスキルとは何も関連がない以上、重宝されないことが多々あるのは至極当然と言えるでしょう。


さて、ここで疑問がわきませんか。それでは、一体何が、TOEICの得点と密接な関係があるのでしょうか?


次回は、今回のコラムの中でも非常に大事なことについて書く予定でいます。TOEICを受ける必要がある人、ある程度の高得点を取る必要がある人に是非読んでいただきたいですね。