sweetheart deal
PBS New Hour(2016/8/30)は、米アップルがEUから巨額の追徴課税の支払いを命じられた件について、EUのVESTAGER長官とのインタビューの模様を伝えています。
今日のキーワードは、sweetheart
deal「なれ合い(裏)の協定、取り決め」
The
antitrust regulator for the EU said Ireland had given Apple a sweetheart
tax deal for well over a decade, with special laws that
effectively allowed Apple to pay less than 1 percent corporate tax.
The EU accused Apple of setting up two companies in Ireland with a
head office that only exists on paper. The profits from European
stores all go to the Ireland head office and are essentially
untaxed.
「EUの独占禁止取締官は、アイルランドがアップルに対して、10年以上にわたり優遇的ななれ合い税率を課したことを伝えています。その中身は、アップルに対して支払う税金が1%未満になる特殊な法律を適用したというもの。EUは、アップルがアイルランドに実態の無い二つのペーパーカンパニーを本社として設立し、EU域内での売り上げがその本社で計上されることにより、実質非課税の扱いを受けたと非難しています。」
antitrustは、「独占禁止の」antitrust
actで、「独占禁止法」
accuseは、「告訴する、糾弾する」
on
paperは、「書面上では」 company
on
paperで「ペーパーカンパニー」
untaxedは、「課税対象外の、非課税の」
アイルランドは元々法人税率が12.5%と低く、それを武器に多国籍企業の誘致を進めています。今回の告発は、アップルに(秘密裏に)適用された税率が1%以下だったというのですから、これが本当なら追徴金は当然でしょう。もっとも、VESTAGER長官は、この税率がアップルに適用された経緯については何も触れていないので、なんでこういう不思議な事が起こったのかについての詳細は分かりません。
それと、アップルは米NASDAQに上場していますから、四半期ごとに連結対象子会社を含む詳細な財務情報が公開されているはずです。EU域内での実効税率が1%未満であれば、すぐにわかりそうなものですけどね。
VESTAGER長官は、インタビューの中で、「これってそもそも企業文化(corporate
culture)の問題では。法人税率が12.5%の国で1%にも満たない税金しか払わないで、万事オーケーだなんて思わないだろう、普通は。」とも語っています。私もそう思います。